セット間のインターバルについて考える

2018年10月3日

筋トレで、筋肥大を効率よくするためにはインターバルをどれくらいとればいいのか悩むことがあります。筋肥大とは筋タンパク質の合成作用を高めるということですが、このインターバルは短すぎると苦しくなり、長すぎるとそもそも筋トレを行ったことすら薄れてしまうという微妙なところです。

本ページはこんな方におすすめ

  • 筋トレを行うときにどれくらい休めば良いのかを知りたい
  • 1セットと1セットの間に何分(秒)開ければ良いのか知りたい
  • インターバルは感覚で決めてようと思っている

長い短いは個人差があるので、本ページでは60秒以内のインターバルは短め、3分以上6分以内のインターバルを長めと表現します。本稿では8RMを前提にしています。

1セットは何秒で終わらせるべきか

筋トレを始めてすぐ疑問に思うのは、ウエイトトレーニングの1セットをどれぐらいの秒数で終わらせるのが効果的なのかという点です。ジムでトレーニングを行っている人を見渡しても様々で、猛スピードで行っている人もいればゆっくり過ぎるのではと思う人もいます。結論から言えば、正解などなく、筋トレで何を求めるかによるということになります。

ポイント

長秒間の筋トレ > 短秒間の筋トレ
秒数が長くなるほど有酸素運動に近くなります

秒数が長くなるといっても数分間に至るということは普通ありませんので、長くトロトロ行っている人でも1分以内だと思います。それ以上の時間がかかってしまう人は適切な負荷を選べていない可能性もあります。学術的には40秒を境に有酸素運動の要素が強まるとしているものが加味されるとしているものが多いように思いますが、実際には30秒以上かけてしまうと筋肉以外の疲労も体感するはずです。
つまり、適切な時間内で1セットを終えられるように負荷調整を行わないと、望んでいない効果が強く表れたりするということになります。

大原則

力を加えるときは素早く(加速はしない)、力を戻すときはゆっくりと

例えばバーベルスクワットの場合だと、しゃがむ作業はゆっくりと確実に、立ち上がるときは爆発的にという感じになります。これは安全面と自然則の面から考えても理にかなっています。重力に逆らうときはゆっくりだと負荷がかかりすぎて、身体を壊してしまうリスクが、重力に従うときはそのまま力を抜くと、バーベルなどを床に落とす、投げつける動作になりがちでこれもケガを誘発します。筋トレ面からしても、重力に逆らって動くことが基本ですので、ウエイトを下ろす(力を戻す)ときは重力に逆らいつつゆっくり下ろすほうが負荷が継続して良いというわけです。
一方、力を加える(重力に逆らう)ときは筋肉のバネを解放する時でもありますので、あまりにゆっくり行うとバネの瞬発力を利用できず効率的ではないわけです。だからといって、思い切り加速する必要はなく、見た目ゆっくりでも問題ありません。自分のコントロールできる範囲で素早く力を加えるということになります。自分のコントロールできる範囲というのは、筋肉に止まれと命じればばすぐに停止させられる範囲という意味です。

原則

力を加えるときも、力を戻すときもコントロールできる範囲で行う

言い換えれば、全般的にゆっくりと動作して大丈夫ということになりますが、緩慢すぎる動きは気持ちの面でたるみますので、メリハリをつける方が良いでしょう。

ニィ
ニィ
海外(欧州・米国)のジムに顔を出してみると、ゆっくりトレーニングを行っている青年・壮年層はあまり見かけません。しかし、よく観察すると休憩を除くトータルのトレーニング時間やジムで過ごす時間が特に短いわけでもありません。動きにメリハリがあるので、ゆっくりに見えないだけです。

ポイント

軽い負荷で行うときは、メリハリをつけて素早い動作とゆっくりの動作を切り分ける

軽い負荷(ウエイト)の場合は、ゆっくりとした動作を続けていても負荷にならず、ある程度の加速度をつけて挙げ、その加速度に逆らうようにして素早く停止するという動作を行う方が、実質上の負荷を上げることができます。

一般的には、40秒以内の動作は解糖系エネルギー代謝(筋肥大系)、それ以上は脂肪エネルギー代謝(有酸素運動)になります。原則40秒以内の動作で終わるように、ウエイトトレーニングを行えば筋肥大が見込めるということになるのですが、多くの人は40秒は長いと感じるのではないでしょうか。実際には20秒以内、15Reps以内の動作あたりが現実的なところだと思います。15Repsを40秒で行ってもかまいませんが、20秒以内の方が効果的に感じる方が多数だと思います。ここは、年齢、体力などを実験考慮して自分のメニューを作るしかありません。

例を挙げれば、高齢者(若年者以外の方)で筋トレ初心者の方は、高Reps(15Reps以内)、長秒(40秒以内)で行う方がケガを防ぎ筋肥大が望めます。初心者でない方はウエイトを上げ、Reps数を減らして20秒以内にまとめるのも効果的です。
10Repsが10秒で終わってしまうのであれば、10秒以上必要になるよう、ウエイトを高重量にして(8Repsあたり)調整するなどが必要です。ただ、現実問題として、真剣に筋トレを行っている際はアドレナリンが出ているはずて、時間などカウント、計ることができないはずです。スマホ撮りなどして後から客観的な検証が必要でしょう。

インターバルは1分間?

一般的に、インターバルは1分間というのが定説になっています。いくつかのスポーツ系資格試験(米国系も含む)でも、1分間が正解としてあがっています。この根拠は何なのでしょうか。この定説は海外でもまかり通っているので、日本的な根性論や精神論で説明すべき内容のものでないはずです。

実は、この1分間というのは、セット間インターバルを短く設定することにより「成長ホルモン」が最大限に分泌され、筋肉が成長するということを根拠にしています。より分泌を促すには、長インターバルより短インターバルの方が効果的だというのです。
おおよそ、2012年あたりまでこのことは、多くのトレーナーの間で共有されていました。しかし、その後の実験で成長ホルモンが増加したとしても、筋タンパク質の合成作用を高めたり、筋肥大に影響しないというデータが数多く示されるようになりました。現在では、専門家の間でも一時的な成長ホルモンの増加は筋肥大に影響しないと認識されています。
ということは、セット間のインターバルを1分間にする理由がなくなってきます。1分間というより、セットが終わった後の苦しい状態のままで、すぐに次のセットを始めなくても目的を達成することができるということになります。

事実

短インターバルのトレーニングが一時的に成長ホルモンの分泌を高め、トレーニング効果の向上が期待できる。
しかし、一時的な成長ホルモンの増加は筋肥大には大きく影響しない。

でも、短インターバルでやりたいのだけど

根性を鍛錬する、肉体的苦痛に耐える精神的な強さを身につけるという目的で行うのであれば、短インターバルを貫くのもアリです。しかし、それ(短インターバル)による弊害はないのでしょうか。じつは、これも2015年以降に行われた実験により、ある程度まで具体的にわかってきています。

短インターバルで筋トレを行うと、直後数時間の間は筋肥大(筋タンパク質合成)効果が減衰します。一日ほど経過すれば、短インターバルも長インターバル(5分程度)にも筋タンパク質合成率は大差なくなります。しかし、プロテインを飲む人にとっては、このことは重要でしょう。

でも、しっかり回復させてからトレーニングしよう!

現在もいくつかの実験が進行していますが、短インターバル(1分間)でのトレーニングは成長ホルモンは増えるけれども、一時的なものにすぎす、それが筋肥大を促進するわけでもないので、こだわる必要はないように思います。特に、筋トレ後にプロテインを摂取している方には非効率な方法といえます。

トレーニングのセット間インターバルのまとめ

「分」にこだわるのではなく、次のセットをしっかりこなせる程度まで回復させてから、そのセットをやりきることが大切です。1分とか5分とか、数字にこだわる必要はなく、セットをやりきることができる限界ぎりぎりの回復を待つようにしてください。チャージが8割に戻ればすぐ始めるという感覚で大丈夫です。

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