バーベル・フルスクワット

初心者こそフルスクワットの意味は?

2020年1月14日

トレーニング初心者にこそ有効とされるスクワット運動ですが、筋トレをはじめて、スクワットを行うようになったけれど、トレーニング効果云々の前に膝が痛くなるだけという方は、是非読んでください。本稿ではスポーツ競技目的より、シェイプアップ目的に力点を置いて書いています。

本ページはこんな方におすすめ

  • スクワットをやると膝が痛くなる
  • スクワットは嫌い
  • スクワットをすると脚が太くなる
  • スクワットすると腰が痛い

脚が太くなるスクワットとは何なのか

スクワットは下半身を鍛える種目と認識されていますが、この認識の中身はさまざまです。バランスよく鍛えられる種目、多関節種目など様々な表現がされるスクワットですが、初心者が認識すべきは「スクワットは脚部だけを鍛える種目ではない」ということです。
脚部への負荷を意識しがちなスクワットですが、実際には臀部、腰回り、そして何より腹筋群にも効く種目です。

ヨーコ
ヨーコ
足が細いスタイルと丸くてボリュームと形の整ったお尻は両立が難しいものです。ここは発想を変えて、足の形が美しく臀部も整ったボディを目指すのが賢い人です。形さえ美しければ、細さは問題になりません。

ここから、なぜ脚部ばかりに聞いてしまうのかを見ていきましょう。脚部以外の筋肉をうまく運動に参加させることによって、しなやかな動物的なボディを作り上げることができます。逆に脚部だけにスクワットの効果を効かせてしまうと、彫刻のような身体になってしまい、女性にはどちらかといえば、不人気の体形になります。

しっかりしゃがむ > お尻を使う > ウエイトをコントロールする

全体にわたって注意すべきは、重心コントロールです。重心がコントロールできていないと、倒れたり、ぐらついたりしますので、できるようになるまでは余計なウエイトは持ったり担いだりしないようにします。

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アリがちな誤解を正す

初心者が、よく誤解してしまうパターンが、スクワットは苦手なので「ハーフスクワットで済ませている」といったものです。実はハーフスクワットは初心者が行うのはできる限り避けたいものです。動きが簡単で楽に見えるハーフスクワットは、荷重した場合は初心者には手に負えない危険性をはらんでいます。また、ハーフスクワット初心者ほど、ウエイトを膝関節で支えようとするため、膝を簡単に痛めてしまいます。

脚部の筋力は、男でも女でも、やせている人でも太っている人でも、本人が思っているより強力で、膝関節を駆使すれば100キロぐらいはハーフスクワットのしゃがみ具合で難なく支えられます。ただし、これに動きを加えるとなると話は別です。ベテラン勢は、脚部の筋肉をフル動員して動くことができますが、初心者は一部の筋肉と膝関節を固めて乗り切ろうとします。その結果、関節に負担を与え、ケガをするということが頻繁に起こります。

これを避けるには、フルスクワットをスクワット運動の大原則に据えるようにします。フルスクワットができない方は、せめてパラレルスクワットよりも深くしゃがむようにしましょう。膝をしっかり曲げてしゃがみ込んだ状態では、膝関節でウエイトを支えるようなことはできません。つまり、ハーフスクワットでは頻繁に起きる事故を激減させることができます。

また、しゃがみ深くなるスクワット(フルスクワットやパラレルよりも深くしゃがむスクワット)では、ハーフスクワットなどに比べて扱える重量は減ります。しゃがむことに意味がありますので、柔軟に動くためには軽い負荷を扱うくことになるのが当然です。

初心者のスクワットは、まずしっかりしゃがむ
フルスクワットは、重量負荷よりまずしゃがみ深さを重視する
ニィ
ニィ
フルスクワットを行うときは、高重量を無理に扱うことは避けましょう。あくまで、いかにしゃがむかということだけに力点を置きます。逆に高重量を扱うときは、パラレルスクワットより少しでもしゃがむことができれば大丈夫です。本当のフルスクワットのしゃがみ深さまでは、無理する必要は全くありません。

[誤り]スクワットのしゃがみ深さが足りていない

スクワットは奥深い種目で、下半身のどの部位に効かせるかによって、主に脚幅、しゃがみ深さでコントロールします。脚幅は殆どの方がコントロールできますが、しゃがみ深さは気持ちと裏腹になっていることが多いです。具体的には、太ももの表面が床と平行になる程度にまで、腰を落としましょう(しゃがみましょう)。

つまり、深くしゃがんでいるつもりでも、ちょっと腰を折り曲げた、膝を曲げた程度に収まってしまっていることがあります。これが最大の問題で、初心者ほどしゃがみ込む動作をしっかり行う必要があります。始めはしゃがみ込んだら、起き上がれない状態を試しても構いません。しっかりしゃがみ込むことをまずマスターしてください。

センセ
センセ
パワーリフティングのスクワットの審査基準が、自分のスクワットが果たしてスクワットといえるかどうかの一応の基準になります。腰関節が膝関節(ひざ頭)より少し下がれば、スクワットとしては成功になります。これはほぼパラレルスクワット(より1センチでも少しだけしゃがむ)と考えて問題ありません。

しゃがみ深さ不足のスクワットの原因を考える

うまくしゃがみ込めない理由の一つは、まず身体の柔軟性不足です。180度開脚などできる必要はありませんが、まっすぐにしゃがみ込める程度の柔軟性がないと、筋トレそのものがうまく長続きしません。

しゃがみ込みの柔軟性不足を解消するには

マットの上でストレッチをするまでもなく、ウエイトを持たずに、低めの椅子(ボックス)にお尻から座る、お尻から持ち上げる動作を繰り返します。
必要なものは自分の身体と、小さな椅子だけです。椅子はしっかりとしたものではなく、ミカン箱のようなもので構いません。初心者で、柔軟性が不足している方は、ベッドに腰掛けて立ち上がる動作を、五分間しっかり繰り返してみましょう。
身体に、どの程度までしゃがめるのかを覚えさせるために行うわけです。

階段で座る、立ち上がるを繰り返してスクワットに対応

ベッドの高さだと、だれもが苦痛を感じずにしゃがんでは立ち上がる動作ができると思いますが、今度はしゃがむ場所を階段に変えてみます。最終的には、階段の一段分の高さまでしゃがみ込めるのが理想ですが、初心者のうちは、まず階段三段分の深さまでしゃがみ込めるように練習してください。
階段の三段目の角の部分にお尻がついたら、立ち上がるという練習を繰り返します。腰かけてゆっくりしまわないように注意してください。

スクワットの時に股関節が上手く使えていない問題を解消する

股関節を上手く使わずにスクワットを行うと、膝関節を前に出しながら腰を下げる動きになりがちです。この動きは、膝関節を中心として体重をかけることになりますので、膝関節のトルクが増大し、その反面股関節トルクを減少させてしまいます。言い換えると、お尻まわりの負荷が膝周りに抜けるので、膝を痛めやすくなるということです。

柔軟性が不足を解消する

負荷を落としているにもかかわらず、ハーフスクワット程度にまでしかしゃがめない方は、股関節(骨盤帯・下肢筋群)の柔軟性が不足している可能性があります。また、ケガ等が原因で可動域に制限が生じている場合は、しゃがみ深さが不足したスクワットになりがちです。

股関節や足関節の可動域を広げておくことは、歩行速度、歩幅等の歩き方についてもコントロール能力が向上することにつながるので、この項目(柔軟性)は軽く考えないようにしてください。

バランスがとれていない問題を解消する

スクワットの動作を通じて、身体が前後左右にぶれる場合は、動きのバランスがとれているかどうかを確認しましょう。多くの場合、フォームがおかしい、余計な筋肉に力が入っている、視線が定まっていないことが原因です。また、ダンベル、バーベル等を持ったり担いだりして行う場合は、バーの中心がズレていないかも確認しましょう。

ハンナ
ハンナ
スマホで自分のフォームを録画して確認するのが近道です。フリーウエイトだけでなくスミスマシンなどを使った場合でも、バランスの悪さは動きのぎこちなさに表れますのでチェックです。

上半身がコントロールできていない問題を解消する

上半身のコントロールとは、動作中に背骨のラインを崩さないようにすることです。
上の「バランスがとれていない」と類似しますが、スクワットで「下半身を強化する」ことばかりに意識が向きすぎると、骨盤や脊柱の動きを制御することをおろそかにしがちです。股関節や腰部に筋力不足がある場合は、たとえ下半身がそこそこ頑丈にできていても、スクワット動作時に脊柱の位置を制御できません。

この問題は、自分がコントロールできるウエイトで、背骨の動きを意識しつつ、スクワットをしてみると助けになります。女性で筋力に自身がない方は、ウエイトを一切使わずに、自分の背中に手を当てて、緊張具合を確かめながら動いてみましょう。

負荷が高すぎて、効果的なスクワットができない問題を解消する

スクワットの場合、負荷を高くしても肩に担ぐ段階まではできてしまうのが普通です。そこからスタートポジションをとり、腰を落とし始めると、「これ以上しゃがむと立てなくなる」という恐怖感に支配され、しゃがむのをやめてしまうケースが多いと思います。この場合は、自分はどの程度の負荷までならフルスクワットの深さまでしゃがめるのかを見極めるのが先決です。

負荷を高く設定してしまう、つまり重すぎるウエイトでスクワットにこだわってしまうのは、多くは負けん気、効率の追求などメンタル面が関係しています。フォームさえ完璧にこなせれば、重さ、負荷を高くしてスクワットをすることをおすすめしますが、フォームが未熟な段階で高負荷スクワットを行うのは故障の原因になります。

負荷を高めれば、何としてもフォームを決めるという意志力が重要になります。大きくフォームが崩れてしまうほどの負荷でスクワットをするのは、さすがに無理しすぎなので、ここは負荷を下げてフォーム磨きを優先しましょう。

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しゃがみ深さ不足のスクワットの解決法

浅くしゃがむスクワットは上級者向けの種目(スポーツ競技向け)だと以前述べました。その理由は、大腿部の筋群(外側広筋、内側広筋および大腿二頭筋)をピンポイント的に狙って刺激を入れるので、重量を上手くコントロールできないと膝を痛めるというリスクがあるということ、そして、そうすることでシェイプアップ的には脚だけ太くしてしまいかねない運動になりがちだからです。

競技選手など、試合などに勝つという目的がないのであれば、シェイプアップ目的で行うのスクワットをおすすめします(特に女子はそうです)。

エアスクワットを徹底して解消

負荷をかけてスクワットを行ってこそ、下半身の強化に繋がると考えがちですが、その負荷が身体の弱い部分に集中させてしまっては、これはタチの悪い自傷行為になりかねません。
自重だけのスクワットでも、シェイプアップに有益でなく、意識的にフォームの研究ができますので、エアスクワットも積極的に取り入れてみてください。

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適切な重量を扱っていると、スクワットのセット終盤ではしゃがみが浅くなりがちです。そのため、ボックススクワットでしゃがみ深さを終盤までコントロールしてやるテクニックもあります。

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初心者こそフルスクワットの意味は?のまとめ

スクワットはしゃがみ深さが大切であることは間違いありません。しかし、ベテラン勢や身体がもともと柔らかい人が、わざわざ高重量でフルスクワットばかりするのがよいという意味ではありません。

初心者は十分にしゃがめないにもかかわらず、高重量を扱い、本人は十分にしゃがんだつもりだけれども、実際はハーフスクワットにしかなっていないというケース、これがシェイプアップにはよく働きません。

だから、初心者こそ重量は度外視して、たとえ自重だけであっても、しっかりしゃがみこみ、しっかり立ち上がれるのかに集中するのがよいということになります。逆に、フルスクワットのレベルまで簡単にしゃがむことができるのであれば、パラレルスクワットのしゃがみ深さを基準にして高重量にチャレンジすることをおすすめします。

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