スクワット

シェイプアップの最適Rep数を考えてみる

筋トレを行い、筋肉量を増やすためには最大 8 RM で3セット行うなど、だれでも聞いたことがあるかと思います。今回はRep数がらみの考え方を少し拡張して、具体的に効果を出しやすい運動回数、セット数を考えてみようと思います。
様々な場所(ネット・書籍など)で工夫した計算式などが発表されているので、自分に合ったやり方を見つけるのも楽しいと思います。

本ページはこんな方におすすめ

  • 筋トレで、どのような負荷でやるべきかよくわからない人
  • 何回ウエイトを持ちあげるのが、シェイプアップに都合がいいのか知りたい人
  • ダラダラと筋トレするのは苦手な人
  • 自分の最大の挙上重量を調べたい人

トレーニングメニューの回数をひたすらこなすトレーニングは、筋トレというよりメンタルトレーニング、精神力の鍛錬に近いものです。チームワークなどが重要なスポーツでは、この種のトレーニングの効果を無視できないと思うのですが、本サイトのようにシェイプアップ、肉体改造にターゲットを絞っている方々には、飽きないためにも、労力を無駄にしないためにも、適切なRep数で最大限の効果を狙いたいものです。

例えば、ベンチプレスを10回3セット(10 Rep x 3)行うと表現したとします。この場合の10回(10 Rep)は 10RM ということを前提にします。

Repとは?

Repetition(レペティション)を略したもので、反復・繰り返しの意味です。例えば、10 Rep(s) と表現すれば、筋トレでは10回同じ運動を繰り返すことです。

1RMとは何か?

RMという単位が筋トレではよく使われますが、これは最大でこれだけ繰り返して動作できる回数を表す単位です。この回数以上は、筋力不足で動作不可能になる最大の値(回数)のことです。8RMならば、8回までは同じ動作を繰り返せるけれど、9回目は筋力疲労(不足)などでできないということになります。このRMはかける負荷によって上下するのは当然で、ペンスプレス80kgだと8RMだけど、100kgだと3RMというようにRMの数値は負荷次第で変わります。

RMとは?

Repetition Maximum(レペティション・マキシマム)を略したもので、繰り返して行える最大の回数(最大反復回数)のことです。

先月より今月の方が筋力がアップするようにトレーニングを継続する場合、先月より今月の負荷が少しでも高くなるように設定することは誰でもやることだと思います。同じ負荷で行う場合は、どちらかといえば現状維持を目的とする要素が強くなります。さらに筋力の向上を効率よく行うためには、現在の筋力のほぼ限界の負荷をかけてトレーニングを行う必要がでてきます。

センセ
センセ
限界の負荷のいう言葉を誤解しないでください。最大で100kg持ちあげることができるから、限界負荷は100kgなどという単純なものではありません。「扱うウエイト」×「動作を繰り返す回数」が自分の限界になっていれば、これが限界負荷となります。50kg は軽々持ちあげることができるけど、20回が限界、21回目は体が動かないのであれば、50kgで20RMということです。ウエイトを軽くして繰り返し回数を多くする、ウエイトを重くして繰り返し回数を最小限にするなどの工夫ができます。
バルクアップとは?

筋肉を発達(肥大)させて体を大きくすることをいいます。過食(カロリー過剰摂取)で脂肪をため込んだりするような体重増加のことは、バルクアップとはいいません。体重は筋肉が肥大する分増えることになりますが、これは太るというよりシェイプアップされるという表現の方があっています。

「自分で決めたウエイト」×「一気に動作を繰り返す回数」が休憩を挟まずにこなせる限界になっていれば、この「一気に動作を繰り返す回数」が最大反復回数、すなわちRMになります。ベンチプレスで「80kg」を「8回」(一気に)持ち上げるのが限界ならば、80kg で 8RM ということになります。このまとまり(一気に行える動作)を、何周するかをセット数で表現します。たとえば、80kg で 8RM を2セット行うなら、一気に8回持ち上げる動作を行い、少し休憩して再び一気に8回持ち上げる動作を行えば、2セットこなしたことになります。

結局、1RMとは?

1RM とは一気に1回だけできる最大負荷のことで、90kg のバーベルを1回だけ持ち上げることができる(2回目はできない、つぶれてしまう重さ)なら、1RM は 90kg ということになります。この定義を読んで、オヤッと思った人は相当数いるのではないでしょうか。1RM はあくまで1回だけできればよく、2回目はできない重さを選べばよいのだから、80kg を選んだとしても、1回は何とか挙がるけれども2回目はできないなら1RM といえそう、95kg でも1回ぐらいはなんとかできるけど2回目はだめなら 1RM とベストコンディション時にどの重量にチャレンジするかによって、RM に重さの選び方により幅が生じてしまいます。正確に 1RM を見つけるために、97.5kg、100kg と徐々に重さを足し続けて、どこで自分の最大負荷になるのか調べるというのも、途中でケガを誘発しがちで本来の筋トレとは違う方向です。
結局のところ1RM は理論値で、現実には2RM 辺りからの負荷でなければ調べるのが困難です。最低でも4RM 以上の負荷で筋トレを考えるべきです。しかし、自分の1RM を知りたい場合は直接図るのではなく、間接的に計算して求めます。

1RM を間接的に求める

1回に限り一気に持ち上げられる最大の負荷(この場合重さ)が 1RM の負荷の意味でした。この値を直接計測するのは、故障覚悟で未知の重量を全力で持ち上げて計測せねばならず、リスクが伴います。たとえば、挙げる途中でバーベルを落としてしまうなどの事故、身体をかばおうとして本能的に腰に負荷をかけてしまう事故などを誘発します。補助者(ポッター)がいれば、助けにはなりますが、一人でトレーニングする際には、セーフティーバー程度のものしかありません。

ニィ
ニィ
1RMを正確に知るのは現実的には難しく、知るためには筋肉をベスト状態にしてテストする必要があります。自分のベストが90kgの場合、1回に限っては何とか挙がる、95kgなら挙げられないのならば、1RMは90kgです。しかし、筋肉をまだ疲労させていないベストの状態ではじめから 95kg や 92.5kg にチャレンジしていれば、1回ぐらいは挙がったかも知れません。
本当は95kgが本人の1RMであったとしても、例えば90kgを1RMとして少なめに認識していることがあるわけです。

1回だけ挙げられると回数を固定して重量を変化させて探るよりも、軽めの重量を何回挙げられるかで負荷調整する方が現実的です。つまり、1回だけ挙がる限界のウエイトを探るより、ある程度の回数をこなして「きつい」「ふつう」「ゆるい」(本人の感覚)から、その負荷が本当の1RMの何パーセントに相当するかの目安を付けるわけです。

そのため、1RM を直接的に探さず、限界を感じる回数までバーベルなどを挙げて、これ以上挙げられなくなる回数から、1RM を間接的に計算で割り出します。
少なくとも何回かは挙げられる重量を扱うので、こちらの方がずっと安全であることは理解できると思います。

バーベル重量を変化させた場合、全く動かせない重さというものにぶち当たりますが、回数を変化させた場合も同様、何回目かには全く動かせないという点に当たります。もし1回も動かせないのであればそもそも重量設定が間違っている(重量が重すぎる)と考えられます。また2~3回程度だとデータとして不十分さが残るので、正確な1RMにたどり着きにくくなります。挙げる回数を多くする方が正確にデータをとれますが、限界の回数に達するまで40秒以上かかったりすると、これまたデータとしては不正確になります。
10回ぐらいは挙げられるが、無理をすれば12回は大丈夫、限界までやれば15回はできるというような重量を扱うこともポイントです。1セットは最大でも40秒以内(できれば30秒以内)で終えてしまえる範囲で調整することもお忘れなく。

1RMの換算表

1RMの換算表

ニィ
ニィ
「きつい」と「ふつう」と「ゆるい」の違いは厳しく判断してください。大半の初心者が「きつい」と感じるあたりが、この表でいう「ゆるい」という位置づけです。多くの人は、「もうダメ」という段階からまだ「1回、2回」ぐらいはできるものです。「もうダメ」という段階からプラス4回ぐらいこなしたら「きつい」という感じです。

「%」という記号を用いて、100%の場合を1RMとします。50kgを10回こなすのが限界(=10RM)の場合、この表では1RMに換算するには、50kgの125%にあたる、62.5kgが1RMになります。単純に言えば、50kgを10回挙げられる人は、62.5kgを1回挙げることができるということです。

挙上重量と反復回数から求める1RM 最大重量の簡易計算機

上の表に沿った、挙上重量と反復回数から求めるMax重量[kg]の簡易計算機です。
挙上重量[kg]の欄に現在チャレンジしているウエイト、Reps[回]の欄にそのウエイトで限界まで何回できるか、きつく感じた具合をきつさの欄に入れて計算します。

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0kg
とりあえず、今の自分が一発(1回)限りなら何[kg]持ち挙がるのかを計算で出してみましょう。

最適 RM を考えてみる

RM 法自体は負荷を挙げる回数で筋力アップを狙う方法と考えておくと理解が簡単です。「重さ×回数」が本人の限界になるように設定します。一般的なトレーニングでは2~16回で行うことが多く、図表においても20回以上の部分は信頼性がゆらいできます。

最大筋力アップのための最適 RM

最大筋力をアップさせるのが目的の場合は、2~4RM あたりになるように負荷を決めます。現在の筋力を最大限に発揮すれば、数回なら繰り返せるという限界の負荷をかけます。1RMは非現実的ですので、2RMあたりから調整します。できる限りの最大限の重さを扱う必要があります。筋力アップに効果的というだけで、筋肥大ももちろんします。セット数は3セット以内を目安に調整しましょう。

筋肥大のための最適 RM

筋肥大、シェイプアップ目的のためには、5~15RM あたりで負荷を調整します。つまり、5~15回の繰り返しで、自分の筋力の8割程度を使い切れるような、ウエイトの重さ見つけます。RMの幅が広いように感じますが、男性でバキバキの身体を作り上げている人はは、統計的に5~10RMあたりを好むようです。一方、女性のシェイプアップでは8~12RMあたりが好まれます。これといった決まりがあるわけでもなく、ジムや自宅に適切なRMに調整できるウエイトがないことも多いので、こだわりすぎないようにしましょう。セット数は3~4セットを目安に調整しましょう。

筋持久力アップのための最適 RM

筋持久力のアップが目的の場合は、15RM以上を目安にダラダラ気味に行うのがポイントです。最大筋力の7割程度を目安に、繰り返し回数を増やして限界に達する感じのトレーニングです。だらけてくる後半にもしっかり筋力が使えるように、必然的に噛め目のウエイトを使うことになります。ただし、30RMとかに設定してしまうと、今度は集中力なども必要になりますので、筋肉以外の要素にも負荷がかかります。1セット終了までに40秒以上かけてしまうと、筋分解(筋肉が細くなる、けど締まる)の影響が出るという報告もありますので、目安としては30秒以内に終了できるRMを選ぶのがコツです。
セット数は4~5セットを目安に調整しましょう。

1RM 最大重量から最適挙上重量と最適反復回数を求める簡易計算機

前出の表に沿った、Max重量[kg]から最適挙上重量と反復回数を求める簡易計算機です。
自分のMax重量[kg]がわかっていれば、どのウエイトを何Reps[回]行うのが適当か、その目安を計算します。
はじめに自分の1RM のウエイト、きつさ具合あわせて、目安を出します。計算上、重さに端数が出ますが、丸めるなり切り捨てるなりして調整してください。

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挙上重量[kg] 0kg のウエイトを使うのが理想です。
これで、どの重さでトレーニングを行うかによって、何回反復すればよいのかの目安が計算できます。

シェイプアップ目的の場合は、上の筋肥大のための最適 RM と筋持久力アップのための最適 RM の間を行ったり来たりするのが理想的です。反復回数を多めに(10回以上に)調整して、その上での最適重量を扱ううと、理想的な効果が望めます。ゆるめに5セット、きつめに3セットなど組み合わせてトレーニングしてください。

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