可動域を稼ごう
筋トレ目的が筋力アップではなくて、美しく筋肉をつけるためなら、関節の可動域を稼いでおくことが経験則上有効です。ウエイトを持ってナローレンジ(狭い範囲)よりフルレンジ(広い範囲)で運動を行う方が筋肉は美しく肥大します。特に肩や脚部の可動域が狭いと、上半身やお尻まわりの筋肉の付き方が美しくなりません。可動域といっても広すぎる必要はないのですが、例えばサイドレッグレイズのように足を横に上げる運動の場合、真横に90度まで上げることができる必要はなくても、60度ぐらいまでは確保しておく方が、お尻まわりの筋肉を有効に刺激できます。身体が柔らかいことに越したことはないのですが、標準より硬い身体だとシェイプアップ、スタイルアップが効果的に行えません。筋トレの効果をよくするためにも、お風呂上がりを目安に可動域を稼ぐストレッチングを行うようにしてください。可能な限り、日常的にストレッチングをこまめに挟むとよいと思います。可動域の目安は力を有効に加えられる範囲(関節に無理な力が加わらない範囲)でかまいません。
ストレッチングをこまめに行おう
負荷を適切にかける
狙う部位が負担に感じる適切な負荷の量を与える
筋トレの妙技は適切に負荷を選ぶことです。男性の場合はひたすら重さを追求すれば、筋肉が太くなりそれで満足できる人が多いので、負荷の限界に挑戦していればいいという人が多いのですが、女性の場合は、「ほどよい筋肉を美しくつけて身体のシルエットを磨きたい」という目的で筋トレする人が多いので、むやみにウエイトを上げる方法はとれません。誤解しないでほしいのは、重いウエイトを使わなくてよいという意味のことをいっているのではなく、目的のシルエットに達するためにその負荷が適切かどうか常に気にしてほしいということです。美しい細身のスタイルの女性でも100kgを担いでスクワットする人は意外にもいるものですが、その人には100kgが適切に扱えるわけで、扱えない人がマネをする必要はなく、必要条件でも十分条件でもありません。負荷は自分に合う適切なものを選ぶ必要があり、これは頻繁に変化します。いつもベストな状態でトレーニングできるとは限りませんので、体調次第で負荷を変えるのも仕方ありません。自分より細い人が重い重量を扱っているからと言って、競争する必要はありません。来週も同じ負荷が適切とは限りません、常に適切な負荷を選ぶように心がけてください。
その日の体調も加味して、目的のパーツに最も効きやすい負荷を見つけよう
重心を落とす位置を誤らない
普通に直立して、足の前側に体重を乗せるのと踵側に体重を乗せるのとでは、緊張する筋肉の違いを感じると思います。この違いは筋トレで負荷をかけた際に大きく出てきます。例えば、脚部の後ろ側を鍛えたいのに、前部に効いてしまうなどというケースです。どちらでもいいから鍛えられればよいというレベルであれば気にしなくていいのですが、多くの女性はこだわるはずです。男性の場合は、デニムパンツのサイズがワンサイズ増えようが減ろうが大した問題ではない方が大半だと思いますが、女性の場合はそうではないでしょう。
重心の位置に関しては、体型によっても微妙に違いますので、書籍等に書かれている内容をそのまま鵜呑みにする必要はありません。脚部が農耕民族型のプロポーションの場合は中足より前部に重心を置いてやると、ヒップアップ効果などが期待できます。脚部が狩人型のプロポーションの場合は中足の後部に重心を置いてやると、スタイルが安定します。単刀直入に言えば、骨格的に足が短いかもと思う方は、中足より前に(前すぎてはダメ)に重心を保つと足が長く見えるように筋肉がつきます。また、O脚型など脚の形による差異も見逃せませんので、ベストの重心が落ちる位置は各個人が地道に研究すべきテーマでもあります。
男女問わず、初心者がまず意識すべきは、重心は中足(ミッドフット)に落とすという原則です。そして、デッドリフトやスクワットは足の裏面全面で支えます。初心者のうちは踵を浮かしたりしないで、しっかり全面で支えるようにしましょう。
自分のなりたいスタイルを見本にして重心を考えよう
シェイプアップを助ける重心調整
欧米人のトレーナーがよく、バーベル・スクワットを行う際は「踵を床につけなさい」と指導することがあります。これは、欧米人の足の長い体格だと、重心がつま先に寄りすぎて足の親指が変形するほど力が入ってしまっ ...
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