筋トレBIG3、すなわちベンチプレス、スクワット、デッドリフトはコンパウンド種目の代表格でしっかり行えば疲労感も翌日以降に残るはずです。そして、トレーニングが可能なこれらの種目を、できる限り効果的に継続してこなしていきたい人は多いはずです。ここでは、そのためのメニューを一週間にどう組み込むのが良いか考えてみます。
本ページはこんな方におすすめ
- トレーニングの一週間メニューが欲しい
- メニューの典型的テンプレートが欲しい
- 毎回同じトレーニングはしたくない
本ページは BIG3 を何が何でも一週間のメニューに組み込むことを奨励しているわけではなく、目的としているのはメニューの組み方についてです。特に効率よく筋肉を刺激できる BIG3 で考えていくのがわかりやすいので、メイン種目として選んでいます。
メニューを組む際に知っておくこと
見栄えの良い身体を作り上げる上げることを目的としたメニューを組むための前提です。
以下の点は常識すぎますが、調子がついてくると忘れたり、無視しがちですのでいつも気に留めるようにしましょう。
- 決めた期間での総負荷量を意識する
- オーバートレーニングにならないように注意する
上の二つを無視して気分でメニューを作ったとしても、精神面ではいい効果があると思いますが、筋肉面(筋力・筋肉量を維持する)では逆効果になることもあります。オーバートレーニングは根性を鍛えるためにはいいかもしれませんが、身体のシェイプアップや筋肉の質を上げるという面では、マイナス効果の方が大きいです。
総負荷量というのは「トレーニングの強度 × 回数 × セット数」のことだと考えてください。この点は別記事で詳しく検討します。
そして、いきなり結論です。
一週間の総負荷量が変わらなければ、一週間に何回トレーニングしようが、メニューをどうこなそうが、一週間単位での筋肥大効果は同じです。
でも、そうは簡単に重い通りの結果を得ることができないことは、皆さん体験済みだと思います。ひとつずつかみ砕いていきましょう。
多少の出費にはなりますが、一時的にでもパーソナルトレーニングジムを利用して、自分に必要なメニューを専門家に作成してもらい、自分でかみ砕く方法も近道になります。
メニューの基本的な考え方
まず全体として頭に入れておくことは、「どうトレーニングするか」という点よりも、「栄養の取り方」と「休み方(休養)」をうまくメニューに組み込むことです。この2つを軽んじてしまうと、結果の出ない拷問を自分自身に行っている感じになってしまいます(武者修行?)。
アスリート競技のためのトレーニングではなく、健康やシェイプアップ目的の筋トレにおいては、身体の各部位ごとに適切な負荷を与えてやるメニューを作ってやる必要があります。腕を太くしたいから、上腕部の同じ筋肉ばかり狙った筋トレを1日中行うみたいなメニューは、現在は科学的に非効率だという見解が大半です。どれくらいの頻度で筋トレを行うとよいかについても、後半で説明します。
栄養と休養については別記事に譲るとして、今回はトレーニングメニューについて見ていきます。
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トレーニングメニューそのものの考え方
ここでは一週間単位で考えます。一週間で二回(以上)はトレーニングすることを前提にします。筋トレ頻度に関しては、科学的にはあまりこだわらなくてよいことが言われていますが、現実問題として有限な時間の中に生きているわれわれは意識せざるをえません。頻度に関しては、別記事に譲りますが、多くのトレーナーの経験則から筋トレ頻度が少ないより多い方が筋肥大しやすいということになつています。
ある程度、自分の身体がわかってくると、一か月単位で考えるのもオススメです。
基本的な考え方
- BIG3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)の1種目を含めるようにする
- 自分の目的(シェイプアップ、体力増強など)に合わせて組む
- 鍛えたい(シェイプアップさせたい)部位を意識して組む
- 前回の疲労が影響しないように組む
- 飽きないように組む
- 負荷量に力点を置く
もちろん、特定のスポーツに励んでいる人なら、そのパフォーマンスを高めるためのトレーニングを主体的に行うことも大切です。ここでは、初心者向けで、まんべんなく疲労できるメニューを紹介します。実際にはウエイトを工夫して、翌日以降への身体の疲労をコントロールするようにします。
原則として、BIG3の1種目を一日のメニューに含めるようにします。3種目を一日に含めてしまうようなメニューもあり得ますが、今回は省きます(別の記事に譲ります)。結論だけ述べると、(理論的には成り立つのですけれど、)1日に詰め込んでトレーニングするのは筋肥大パフォーマンス的には良いとされていません。
さらに重要なのは「飽きないように組む」ことです。理屈や理論だけで組んでしまうと、このポイントをおろそかにしがちですので要注意です。「飽きない」というのは「脳みそを刺激する」ということと同じで、脳みそが興奮、緊張するように意外性を持たせてやることも継続させるコツです。
メニューで加えるべきBIG3の特徴を抑える
筋トレのメニューにBIG3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)を加えないと、大きな筋肉に刺激が行き届かないので、シェイプアップとしても物足りないものになりがちです。また、バランスよく身体を鍛えるという意味においても、メニュー加えることがお勧めです。故障中の人以外は、負荷を軽くしてでも1セットぐらいはやってみましょう。
上半身に効くベンチプレスを組み込む
ベンチプレスは上半身前面の筋肥大に効果的な種目です。
上半身の中でも比較的に大きな筋肉量があるのは、大胸筋・三角筋(前部)・上腕三頭筋肉筋肉群です。これらの部位に刺激を入れることで、上半身の筋肉群は疲労し、回復を促すことになりますので、達成感も得られるはずです。
ベンチプレスは、大胸筋に関してはバランス良く鍛えることが可能ですので、形のいい胸を作り上げたい人は積極的に取り入れましょう。男性は積極的に行う種目ですが、女性は避けがちな種目でもあるのもベンチプレスです。筋力の弱い女性の場合は、負荷を軽くして(バーだけでも十分)、フォームだけを徹底するようにします。それだけで普段の姿勢が改善されるように筋肉が強化され、結果的に胸部を美しくに見せることにつながります。
さらに、ベンチプレスの見逃せない点は、意外にも下半身の踏ん張りも重要だということです。足を浮かせて、踏ん張らずに行うベンチプレスもありますが、踏ん張ってバーベルを上げる分には、脚部への刺激も入りますので、上半身と下半身への刺激が得られるという種目になります。今日はベンチプレスしかしなかったという日でも、意外と脚部や腹部に効いていたりすることもあるのが、この種目です。
ベンチプレスを胸にしっかり効かせよう
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下半身筋トレの王様、スクワットをメニューに組み込む
スクワットは下半身を総合的にトレーニングできる種目です。バーベルを使えば高負荷をかけることができます。男性はボックスに入って、バーベル・スクワット、筋力が弱い女性の場合は鏡の前でエアー・スクワットやダンベルスクワットを行うのもお勧めです。
人体の筋肉の7割以上はへそから下部分に集中しているという下半身に刺激を届けない限り、筋トレの本領は発揮できません。特に大臀筋・内転筋群・大腿四頭筋・ハムストリングを中心に効果的に刺激できるスクワットは、負荷を調整してメニューに積極的に組み込みましょう。高負荷にしなければ、頻繁にメニューに登場させても大丈夫な種目です。
スクワットをメインにしたメニューであれば、高負荷にすればそれだけで十分疲労しますので、それ以外のメニューは控えめにします。メインにしない場合は、負荷を減らして、メイン種目に体力を温存するなどの組み方を工夫します。
バリエーションで攻めるバーベルスクワット
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下半身も上半身もまとめて鍛えるデッドリフトをメニューに組み込む
デッドリフトをメニューに組み込むポイント
- 軽い負荷で行うときは、メリハリをつけて素早い動作とゆっくりの動作を切り分ける
- 下半身全体と上半身背面への刺激を狙う
- 下半身(大臀筋・内転筋群・大腿四頭筋・ハムストリング)への効果的な刺激を狙う
- 上半身背面(脊柱起立筋・広背筋・僧帽筋)への刺激も狙う
- 正しいフォームを体得する手間をかけてこだわること
- スタイルアップだけでなく、姿勢維持のための筋力アップも同時に狙う
- テクニックも必要なので、高負荷にした時の怪我のリスクを意識すること
デッドリフトはテクニックを必要とする、筋トレらしい種目です。下半身全体と上半身背面に刺激が入ります。初心者だから手を出したくないなどと消極的に考える人もいると思いますが、どなたでもチャレンジすることを強くお勧めします。
筋力が弱い人や初心者は負荷を軽くすれば(バーだけで行えば)よいだけで、大切なのは筋肉の使い方をマスターすることです。バーだけで、身体を動かしてみて身体の筋肉を上手く使えるか、関節を上手く動かせるかに集中してみるとよいでしょう。普段の生活でも、重いものを持ちあげるときなどに、筋トレで身につけた身につけたテクニックが生きる実践的種目です。
全力で重さに挑戦するデッドリフトを行う場合は、次にデッドリフトを行う日までの間をしっかり空けることが大切です。脚部の筋肉の回復は意外と早いのですが、腱などは回復が遅れますので、筋肉痛が引いたからといって間を空けずに行うことは、故障のリスクを高めますので禁物です。
デッドリフトのフォームを見直そう
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