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HMB

HMB はプロテインの代わりになるの?

2020年4月21日

ここ数年よく見かける、流行っている HMB について見ていきます。プロテインの何十倍の効果をうたう HMB ですが、どういうことなのか、HMB を摂取しないと筋トレの効果が期待できないのかチェックしていきましょう。

本ページはこんな方におすすめ

  • プロテインはかさばるので HMB で代用したい
  • 筋肉を効率よく鍛えたい
  • HMB がどういうものなのか知りたい

HMB やプロテインは何のために摂るのかと言えば、筋トレを行うのは、美容とシェイプアップのためだとするなら、

ポイント

  • 筋肉量を減らさない
という点は見逃せません。筋肉の上につく脂肪分は燃えてくれて結構ですが、筋肉まで分解して、エネルギーに変えて運動を続けるのはアスリートには大切であっても、ボディメイクやシェイプアップ目的がメインである方々には、あまり望んでいないポイントになります。

HMB は何に役立つ?

まず、プロテインと HMB がどんなものなのかを大まかに見てみます。
プロテインは体内で酵素の作用により分解されてペプチド、さらにアミノ酸まで分解されます。いわゆるプロテインのままでは、体内では使い切れないので、まず分解するわけです。
アミノ酸はプロテインの最小構成単位になりますが、約20種類のうち9種類のアミノ酸が必須アミノ酸で体内で作り出すことはできませんので、食事やサプリから摂るしかありません
その必須アミノ酸のロイシンが代謝分解されたものが HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸)です。

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約20種類のアミノ酸という表現がよく使われますが、「約」って何なんだよとと思いませんか?それは、アミノ酸のシスチンとシステインを同じものとしてカウントするか、別物としてカウントするかによるものです。念のため、どちらも必須アミノ酸ではありません。

たんぱく質の分解

HMB で筋肉が大きくなる?

筋肉に負荷を与えてパンプアップ(筋肉中の血液やリンパ液が増えてふくらむ現象)を起こし、筋肉を大きくする方法が主流です。このタンパク質の合成促進作用を助けてくれるのが HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸)というアミノ酸の一つであるロイシンの代謝物です。

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プロテインは、摂取した後にペプチドに分解されてからアミノ酸にまでさらに分解されて、筋肉に作用します。しかし、HMB をサプリとして摂る場合は、ペプチド分解などの手間が不要なため、摂取したらすぐに筋肉に作用します。

HMB の効果1

  • タンパク質の合成促進
細胞の分裂や成長、細胞構成に関与している mTOR 経路を経てタンパク質の合成を促進する。
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HMB は筋分解を防いでくれる?

エネルギーが消耗した状態でトレーニングを継続してしまうと、筋肉がアミノ酸に分解されて、それをエネルギーとして使います。HMB はこの作用を鈍らせるという研究報告があります。筋肉量を維持しつつ筋トレ効果を狙うには、筋肉(タンパク質)の分解抑制作用は有益です

HMB の効果2

  • 体タンパク質の分解抑制
コレステロールに代謝され筋鞘を安定化し、ユビキチン-プロテアソーム系に作用することで、体タンパク質の分解を抑制するという報告があり、速やかな創傷治癒が期待できます。
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HMB で疲れ知らず?

HMB には筋肉の疲労を軽減(NF-κBの働きを阻害)する効果が指摘されています。結果的に筋肉疲労の回復を早める効果が期待できます。

HMB の効果3

  • 過剰な炎症反応の調整
リポタンパク質代謝やエネルギー代謝に関与することで、組織修復を促進する作用が期待できます。
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HMB はどう使う?

HMB はプロテインの**倍の効果らしいけど?

極めて怪しい表現で、「プロテインの**倍の効果がある HMB」というものをよく見ます。正直、意味がとりにくい表現です。HMB を摂取すれば、プロテイン摂取時と比較して筋肉量が**倍に増えるという意味にとるなら、もちろんそんなことはあり得ません。
多くのケースでは、この表現は HMB 含有量のことだと考えられます。「同量のプロテインなら、HMB は**分の1しか含まれていないよ。」つまり、HMB を必要量摂取するには、プロテインを今の**倍を摂らないと満足しないという意味に捉えておくと惑わされません。
HMB ならプロテインの**分の1だけ飲めば同じ効果、プロテインを**倍濃縮したものが HMB という意味ではありませんので、注意です。

この【HMBカルシウム】は不純物ゼロ

HMB はプロテインの代わりなの?

では、プロテインの代わりに HMB だけを飲んでいれば、筋肉量が増えるのかという点ですが、多くの人にとってほぼ「ノー」が答えになると思います。端折って言えば、HMB はプロテインのごく一部から体内で作られるものに過ぎません。

例外的に、普段の食事で栄養がきちんと摂れている場合は、プロテインの代わりになるといえなくもありません。 「プロテインの**倍の効果」という文句と一緒にしてしまうと、HMB だけで大丈夫と誤解してしまいますので、注意しましょう。

HMBとプロテインの、どちらが大切?

HBM は筋肉の合成促進を助けるので、HMB を優先的に飲んでいれば大丈夫なようにも思えます。HMB をより大切に摂取するというのは正しいことのようにも思えます。しかし、HMBとプロテインのどちらかを選べと言われれば、プロテインを優先すべきです。アミノ酸がたくさんつながったものがプロテインです。プロテインを少し細かく砕いた(鎖を切った)ものがペプチドです。そのペプチドを細かく砕いたものがアミノ酸になります。そのアミノ酸は何種類かあり、そのひとつがロイシンです。ロイシンの代謝物が HMB ですので、つまり、プロテインから HMB が作られます。

しかし、プロテインを分解すればすべてロイシンになるわけではありませんので、筋肉を増やすとされるロイシンの含まれるBCAA や HMB をダイレクトに摂取するのも一つの手であるというわけです。もちろん、ロイシンや HMB だけでは筋肉をつくる材料としては不足していますので、多種のアミノ酸に分解して取り込めるプロテインの方を優先するのが定石です。

HMB は必要?

誤解を恐れず、HMBをどうとらえておくのが有益かといえば、プロテインがコンクリートとすれば、HMBはその現場監督と作業員になります。体内に取り込んだプロテインを、それで筋肉を作れと指令を出すのがHMBです。さらに、HMBはそのコンクリートを維持せよ、つまり筋肉を壊すな分解するなと、筋分解を抑制する働きがあります。加えて、筋肉疲労を軽減する効用も指摘されています。

以上から、HMB だけでは不十分で、しっかり栄養のある食事をとるか、プロテインを摂取するなどの筋肉の原材料を体内に取り込んでおくことが大切であるという結論になります。
無理して摂取する必要はありませんが、摂取できるのならぜひ摂りましょうというのがHMBです。

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