女性のお腹まわりの脂肪

体脂肪率は推定計算するしかないことを知っておこう

2020年4月6日

体脂肪率を知りたい人は多いと思います。知って、毎日に必要なカロリー計算に生かしたいなど、少しでも数値的な目標がほしいことは当然あります。しかし、実のところ正確な体脂肪率を知るためには解剖して調べるほかありません(いわゆる、剖検というやつです)。
現在調べた、調べてもらったと体脂肪率は、あくまで推定値でしかありません。その精度はアスリートや測定方法の特性によって大きく異なります。このページでは、比較的的中しやすい計算方法を紹介します。

本ページはこんな方におすすめ

  • 自分の体脂肪を知りたい人
  • 自分の体脂肪を測ってみたい人
  • 体脂肪の信憑性に疑念がある人

体脂肪率の推定計算はどうする

実のところ自分の体脂肪率が正確にどれだけかは問題ではありません。必要なのは自分のカロリー摂取量の計算、自分の脂肪とタンパク質摂取量の目標の設定のために、その概がほしいだけです。正確さはこの際問題にする必要はありません。でも、あまりに現実とかけ離れている数値が出るのも問題です。

正確に体脂肪を知るための方法

体脂肪を調べる各方式の精度をあえてランキングすると、

  1. 死体となって解剖されて体脂肪率を調べてもらう
  2. デュアルエネルギーX線吸収測定法で体脂肪率測定
  3. 米国海軍が使用している体脂肪率推定方式で算出する
  4. 水中計量
  5. 皮膚厚測定による体脂肪率測定
  6. 生体電気インピーダンス分析法

この順で正確さが落ちていきます。一番目の解剖されて調べてもらうというのは、明らかに今回の目的と反しますので詳しく中身は語りません。水中計量の誤差は3%程度とされますが、面倒かつ高額ですので現実的ではありません。一番精度が劣るとされる生体電気インピーダンス分析法(BIA)は最大誤差が10%超えと言われていますので、出てきた数字を自分のほぼ本当の体脂肪率と思い込まないことが大切です。なおこのランキングは、3~5番の精度は似たり寄ったりで、計測者の熟練度によって簡単に入れ替わる程度の差しかありません。

センセ
センセ
精度に関しては、しっかりとした測定条件を厳密に守り熟練者が測定すれば向上します。

〔参考〕デュアルエネルギーX線吸収測定法(DEXA)と皮膚厚測定による体脂肪測定

医学・医療研究者向けの体脂肪測定方法として、デュアルエネルギーX線吸収測定(DEXA)と言うものがあります。しかし、そもそも放射線を用いる方式で、機器も巨大ですので、健康目的で利用するような代物ではありません。また、機器の操作は素人ができるものではなく、それなりの見識と技術が必要です。

また、比較的容易な体脂肪率測定法として皮膚厚測定法があります。詳細は省きますが、身体の特定部位の皮膚の厚み数点を測定し、その数値から体脂肪率を推定する方法です。推定には、適当な公式がいくつか使われるのですが、正確に皮膚厚を測定できる場合は、精度はそれなりに高いとされています。皮下脂肪しか考慮されないという欠点はあるにしても、チェックしたい部位を継続的に数値化して観察できるメリットがあり、また皮膚の厚みを測るだけですので金銭的負担も軽くなります。ただし、測定する技術者のレベルが一定しないと数値の誤差は毎回大きくでるというデメリットも備えています。

★米国海軍の計算式による体脂肪率の推定計算法

ここ最近、話題になっている方法です。身体の数カ所の周囲を測定した値を用いて体脂肪率を推定するという方法です。上の精度ランキングであえて3位にしているのは、精度もよくてコストが計測メジャーと電卓程度で済むからです。測定箇所も、身長、首まわり、腹まわりを測るだけです。
腹回りはリラックスした状態で測定します。お腹の息を吐き出して縮めたり、空気を吸い込んで膨らませたりしてはいけません。首回りは一番細くなる、首の真ん中あたりを測ります(僧帽筋を含めて測ってはいけません)。
女性の場合は腹回りだけでは不正確になるので、最もサイズが大きくなる部分のお尻まわり(ヒップ)と、最も小さくなる腰まわり(ウエスト)を計測して合計します(もちろん計算式で使う係数は異なります)。

精度の誤差が3%程度とされますが、下の公式および海軍御用達と言うことで、ある程度の運動を行う習慣のある人を前提にしている感じがあります。標準体型から大きく外れる方や、肥満状態で運動を始めたばかりの人の場合は、それほど当てにならない可能性も残ります。一方、筋トレを習慣的に行っている人は、生体電気インピーダンス分析法より厳しい値が出るはずですので、併用してみべてみると面白いと思います。

とにもかくにも、無料で簡単に精度もそこそこ高いとくれば、試してみる価値はアリでしょう。
以下に簡易計算機を作りました。各個人で使えそうかどうか(信用できそうかどうか)試してみてください。

男性のお腹まわりの脂肪

男性用、体脂肪率簡易計算機

参考

男性の体脂肪率= 86.010 x log10(腹まわり – 首まわり)– 70.041 x log10(身長)+ 36.76
単位は[インチ]
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0

女性用、体脂肪率簡易計算機

参考

女性の体脂肪率= 163.205 x log10(ウエスト + ヒップ – 首まわり)– 97.684 x log10(身長)– 78.387
単位は[インチ]
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上の計算で求めた体脂肪率で自己評価してみると?

痩せすぎアスリート適正まだ許容太りすぎ
男性2~5%以下6~13%14~17%18~24%25%以上
女性10~13%以下14~20%21~24%25~31%32%以上

米国海軍の体脂肪率の計算式にそれなりの精度がある理由は?

脂肪は多くの場合は、お腹まわりに増え、お腹の上から減り始めます。体脂肪率が10%を切るとお腹まわり、胴まわりはほとんど変化がありません。これは、太っている(脂肪がついている)身体が痩せていくときは、腹部・胴部のなかでも下の方から痩せていくからです。このルールに倣わない体質の人や、すでに十分に痩せている人の場合は、米国海軍の方程式はの精度は劣るといえると思います。

逆に、実際の脂肪はそれほど多くないにもかかわらず、しっかり割れた腹筋をすでに作り上げている人や、お腹まわりが肥満化しすぎている人には、実際の体脂肪率よりもかなり高く出る傾向があります。(上の簡易計算機でスライダーを操作して確かめてみてください。)

生体電気インピーダンス分析(BIA)による体脂肪率推定

次に、一般的に商品化されている体組成計について見ていきます。
多くは生体電気インピーダンス分析(BIA)を採用しています。BIA は電気抵抗を測定し、体脂肪率を推定する方法で、商品化が行いやすいという点もあり、気軽に応用されています。ジムのフィットネスマシンに搭載されているものは、ほぼこの方式を利用しています。

インピーダンスと聞いて、この方式がそれほど当てになりそうにないと言うことを直感的に感じた人も多いと思います。というのも、身体を流れる電気抵抗は、身体に保有する水分量に影響を受けます。お風呂上がりや運動をして汗をかいた後、サウナの後などでは、同じ身体でも得られる値が大きく異なります。

例を挙げれば、BIAマシンでの読み取り値が20%の場合、実際の体脂肪は12~28%になる可能性があります。

そのため、体脂肪率で肥満や痩せているなどの判断や、得られた絶対的数値そのものにこだわるより、いつも同じ条件で測定して数値の増減に注目するような使い方が妥当だと思います。というのも、ばらつきのある仮定を使用しているため、得られた体脂肪率そのものについては精度が著しく低下する可能性があるからです。単純に数値の増減だけを気にする程度でもかまわないと思います。
他人と比べるような使い方をメインにするなら、同一条件での測定が絶対になります。
また、痩せた人やアスリートでは体脂肪率が実際より低くなる傾向があることには注意しておきましょう。

BIAマシンはその用いている計算式そのものがオリジナルであることが多いので、測定メーカーや器具、種類を変えてしまうと、測定値が大きく乱れることがあります。利用する場合は、できる限り同じ機器を使って計測するのがポイントになります。

正確な体脂肪率がどれほどの意味を持つのか?

最後に、フィットネスやボディメイク、シェイプアップに励む人にとって、正確な体脂肪率というものがそれほど重要な値なのかという点を自問自答しておきましょう。

実際のところ、体脂肪率というのは目安にしか過ぎません。そもそも現実的に頻繁に正確に測る方法として、使えそうな方法が見当たらないわけですから、自分なりの目安にするしかありません。体脂肪率が何%という数字を持ってして、その人がシェイプアップされていると判断することはバカげていることぐらいは誰でもわかります。ましてそれで美しさやカッコ良さを競うこともありません。でも、数字にのめり込むと無意味に意固地になったりしますので、要注意です。

本当の体脂肪率が15%で体重が80kgの男性が、任意の体脂肪計算で20%と算出されたとします。これは本来の筋肉量より5%低く見積もられたことになるので、一日の必要カロリーが4g分の誤差による筋肉分低く見積もることになるわけです。この例だと年齢と基礎代謝量を考慮してもアイスクリーム半カップ分ぐらいをセーブするかしないかの違いになります。

この違いが、本当に大きなものなのかどうなのかを心得ておく必要があります。普通の生活なら、誰かに誘われて飲食したり、飲みたくないお酒を飲むようなケースなども考慮したら、十分誤差の範囲内と考えられるでしょう。あまりにキッチリやり過ぎてしまうと、いざ予想外のハプニングが起きたときに対応できず挫折してしまうことにもなりますので、許容できる誤差も心得ておきましょう。

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参考文献:Sean Bartram (2015) "High Intensity Interval Training: Burn Fat Faster with 60-Plus High-Impact Exercises (Idiot's Guides)" Alpha

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