筋トレをやってみようと、トレーナーもつけずに始めてみたものの、ウエイトトレーニングがイマイチという方、特に初心者の方が腰痛に代表される故障を避けるために、気を付けるべきことについてみていきます。
本ページはこんな方におすすめ
- ウエイトトレーニングを始めてみたい
- 筋トレで身体を壊したくない
- 安全第一の筋トレがしたい
腰を保護するには、腹横筋を鍛えるべし
腰(腰椎)を保護するには、腰回りの筋肉を強化するのが効果的です。腰回りの筋肉とは、腹横筋、横隔膜、骨盤底筋、腰方形筋、多裂筋、脊柱起立筋のことで、6パックで有名な腹直筋は主役ではありません(腰を保護する筋肉に含めていません)。
腹筋を鍛えることが腰部の強化につながるといえるのは、この腹横筋を鍛えることで、腹直筋が鍛えられても腰部の強化にはさほど影響ありまません。
腹横筋はどのへんにあるの?
腹筋と一概に述べても複数のパーツに分かれていて、どの部分の腹筋なのかがわかりにくいと思います。腹横筋は身体の表面ではなく、より身体の深い部分にあります。腹直筋が縦に走っている筋肉に対して、腹横筋は横に(腹斜筋は斜めに)走っています。そのため、鍛えたところで筋肉は表面上見えない部位でもあります。
腹横筋はお腹を引っ込める?!
腹横筋は物の広い帯だと書きましたが、その帯を強く締めると胴まわりを減らすように、固く細くなります。つまり、腹横筋が収縮すると、体幹が締まり安定するわけです。その場合は、お腹の中の圧力が高くなり、身体の中心が安定するため、身体が腰椎にかける負荷を激減してくれます。その結果として、腰が保護される、痛めにくくなるということになります。
これは、トレーニングベルトをお腹に巻いてスクワットやベンチプレスをするのと同じで、腹横筋がトレーニングベルトの役割をしてくれます。
では、シェイプアップ、スタイルアップのために腹横筋を鍛えるのが有効なのかという点を考えてみましょう。腹横筋を鍛えることによるダイエット効果は微々たるもので、ほぼ期待できません。しかし、シェイプアップ、スタイルアップという観点から、腹横筋を鍛えることで体幹が安定し姿勢が良くなるため、確実に効果が上がります。さらに、体幹が強化されれば、シェイプアップやダイエット効果が狙えるBIG3種目が安定して行え、有酸素運動も安定して継続できるようになるため、ダイエットにも結果的に繋げることができます。
フォームを追求しない筋トレは腰を痛めがち
デッドリフトが代表的ですが、重いものを動かす筋トレは、何も考えずにやると腰に負担が来ます。人体を上半身と下半身で分けた真ん中が腰にあたりになりますが、お腹の周りは内臓や筋肉が詰まっていて、背中側は骨が入っています。この腰部分の骨(腰椎)に負荷を集中させてしまうと、骨がパキっといったり(骨折)、そうなる前につぶれかけたり(ヘルニア)します。デッドリフトのリスクはこの点に集中していて、何も考えずにやるのは危険と言われるわけです。
フォームの追求は、運動能力向上やシェイプアップ目的ならどの筋肉を強化したり、しなやかに美しくしたいなどと考えるのが常ですが、それよりも先に来るべきものは「いかにして安全にトレーニングするか」という点につきます。マシンやウエイトの扱い方の基礎はすぐに覚えますが、自分の身体の扱い方は意外とおろそかにしがちです。
初心者は腹筋運動はやらないほうがいい?!
腹筋そのものを使わない筋トレはまれですので、普通に筋トレを行っている限り、わざわざ腹筋を積極的に鍛えに行く必要はありません。しかし、初心者でお腹を引っ込めたい人とダイエットに励む人ほど「シットアップ」すれば、腹筋が強くなり。結果的にお腹が凹むと思い込んでいる人が多いのも事実です。
ところが、現在では、シットアップ運動は腹筋への刺激効果より腰椎が負担するダメージの方が大きいと認識されています。腹筋運動をまじめに行ったために腰痛になるという、バカげたことになりがちです。
お腹を割りたいために腹筋運動(=シットアップ)をする、背中もついでに上体そらしでトレーニングなどという化石化したメニューは安直に行わない方が自分のためです。ただし、シットアップ運動もフォームを追求することで、腰への負担を抑えることもできます。
腰の保護する腹横筋はどうやって鍛える?
腹横筋はお腹の深いところにあると、前出の項目で書きました。そんな深いところにある筋肉を鍛えるには、ヨガなどの筋トレとは違ったことをしなくてはならないように誤解しがちです。ドローインなどの腹圧コントロールで意識的にトレーニングする方法もありますが、実は普通にスクワットをしっかり行うだけで、腹横筋はしっかり鍛えられ強化できます。
ポイントは、体幹のブレないグラつかないスクワットをしっかり行うことです。ブレないようにするには、まず適切なウエイトを選ぶようにします。ウエイト無しでスクワットをして、すでにブレているのであれば、ウエイトを使わずスクワットの姿勢を安定させることに努めましょう。それだけで、そう意識するだけで腹横筋に効いてくれます。
ポイント
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腹圧コントロールこそ、腰の保護の基本!
股関節屈筋のことを忘れて、ウエイトトレーニングを行うと腰を痛める原因になります。
ポイントは、スクワットやデッドリフトなどで、関節を曲げて姿勢を作るべきところを腰椎で補ってしまうことです。見た目には、姿勢的にも安定させているように見えることがありますが、この点が甘いと、腰に負担を余分にかけてしまいます。
この解決策の一つは、腹圧を意識することです。普通は腹圧をかけながら腰を曲げるようなことはできませんので、腹圧で姿勢が甘くなるようだと、自分の股関節伸展が不十分であることがわかります。もし、不十分である場合は、ヒップヒンジを見直すことで、さらに腰部へのいびつな負担を軽減できるように姿勢を修正できます。
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