水中ウォーキングで効果を出すために
単に水の中を歩くだけですので、やり方そのものは陸上ウォーキングと同様です。その一方、水中ならではの注意点は多々ありますので、一通りは頭の中に入れておくといざというときに対処しやすくなります。
プールの深さですが、自分の腰から胸のあたりに水面がある深さが理想的です。目的いかんによっては、膝あたりの深さのプールでもよいのですが、この場合は浮力による膝・腰関節の負担激減効果が弱くなりますので、関節保護を目的とする場合はある程度の深さのプールが必要です。
- 背筋(背筋)を伸ばす
- 大股で歩く(歩幅を大きくする)
- 膝や腰関節への体重負荷が軽減
ポイントは腰を前に送るように動くことです。頭の軸は左右にぶれないように、軸を安定させます。腕を大きく振るのがおすすめですが、手は軽く拳を握って水の抵抗を減らすようにします。平手のまま水をかき分けて進めば、それが推進力の大部分になってしまい、その分、脚部への負担も和らいでしまいますので、各自のレベルによって調整してください。
ほぼ、陸上ウォーキングの時と同じ注意点ですが、大股で動きかかとから着地するように歩きます。かかとで着地しても浮力がクッションの代わりをしてくれますので、大胆に大股で足裏全体を使って歩きましょう。
運動時間の目安ですが、10分以上1時間以内で各自の熟練度に合わせるようにします。ある程度年齢が高い人は、ゆっくりとダラダラ行う方がおすすめです。青年層、壮年層は30分を目安にプログラムに組み込むとよいでしょう。ウォーキングを始めたばかりのときは、体が慣れていないので無理をせず、5分行って寒気や体の不調を感じた場合は速やかに中断するようにします。
各自の身長などにもより、同じ水深の同じプールでアクアエクササイズを行っても負荷が人によって異なります。水中ウォーキングの場合は、一般的には腹部のおへそから胸部のみぞおちの辺りに水深を合わせると、適切な負荷になるとされますが、あくまで目安と考えて構いません。首の付け根辺りまで水に浸かるようにすれば、身体の大部分の関節への負荷は軽減されますが、肺が水面下に位置してしまいますので、重心は胸と骨盤の間でバランスさせながら位置させることになります。つまり、水面下の上半身でバランスを取りながらウォーキングするということになり、不安定な動作になります。
しかし、水中ですので陸上のように転倒してケガするというわけではありません。関節負荷を軽減しながらバランスをとりつつ進行するエクササイズとしてとらえることもできます。つまり、水深は自分が溺れない範囲であれば、あとは本人の熟達程度に合わせて変えていけばよいと思います。
気温と日光に注意
室内プールの場合、あまり気にすることではありませんが、リラックス効果を高めるためにホテルなどの野外プールを利用する場合は、気温と日光に注意してください。直射日光がガンガンの炎天下での水中ウォーキングは自殺行為になりますので、もちろん厳禁です。
プールに入る準備
メイクなどをしている方は、泳がなくてもプールに入る場合はメイクは落としておきます。アクセサリー類で、特に金属製のアイテムは他者と接触した際にけがの原因になりますので外すようにします。
シャワーをしっかり浴びる
プール前にシャワーを浴びるのは、身体の汚れを落とす目的よりも自分の体を水温に慣らすための下準備という目的が主ですので、しっかり体を濡らすようにします。発熱等、この時点で体調不良を感じた場合は、潔く本日のトレーニングはあきらめるようにします。
足元に注意しよう
水の中では身体が軽くなり、足元を見たままでは体幹バランスがとれません。また、足元を見ようとしても水面の反射、光の屈折などが邪魔してまともに見ることができませんので、どうしても足元の注意は散漫になります。前を見てウォーキングは行いますが、足下にも気を遣うことが安全対策になります。
タイルの目地に注意しよう
浜辺とは違って、プールの床に大きな固形物が隠れているということは稀ですが、そのようなまれなケースはさておき、床のタイルの目地に足を引っ掛けてけがをしてしまうことがあります。目地が割れていて凹んでいる部分に足指を引っかけてしまったりするケースです。
また、タイルが割れていたり、かけていたりする場合は、そのエッジに足を引っ掛けてケガをしてしまうこともありますので注意です。陸上とは違い、水中では皮膚がふやけていますので、少々の突起物でも簡単にケガをしてしまいますので注意してください。
足の突き指に注意
水の中では、床を歩くというより、フワフワと飛び跳ねて距離を歩くという感じになります。ほぼ足元の注意がない状態では、かかとからではなく、たまたま足の指を床につきたてるように着地してしまい、そのまま突き指してしまうことがよくあります。陸上で同様のことをやってしまうと、病院に通うハメになりますが、水中でもダメージはそれほど軽くありません。一日ぐらいは足に支障が出ますので、この点は注意しておきましょう。このケースが多発してしまう傾向のある人は対策としては、アクアシューズなどを利用することになります。
水分補給は忘れずに
陸上では当然のように行う水分補給ですが、プールの中でも人体は発汗しますので、水分補給はこまめに行うようにします。意外と忘れる人がいるので要注意です。特に青年層以外の人は自分の体力などを護身しすぎる傾向があるので、プールに浸かっているからといって、水分補給を軽く見ないようにしてください。
水温に注意しよう
猛暑の炎天下で、野外プールなどで水中ウォーキングなどはデメリットの方が多いので控えるのが無難です。時間帯を見計らい、太陽光が直接当たらない状況で行うのが効果的です。可能なら夕方以降がおすすめです。水温変化は緩やかですので昼間が暑い日は夕方以降もあたたかい水温で保たれています。
客観的な最適温度は31~32度あたりです。野外プールで温度が低すぎると足をつるリスクが高くなり、温度が高すぎると心臓への負担も無視できなくなります。
腰痛時の注意点
腰痛持ちの方が根本的腰痛対策として大腰筋などを鍛えようと、水中ウォーキングを始めるのはよいことだと思いますが、水中だからといって後ろにのけぞるように歩いてしまうのは禁物です。それは腰痛を悪化させるような歩き方ですので、元もこうもありません。この場合は、吹雪の中を一歩ずつ進むように前かがみの姿勢で水中ウォーキングを試してください。 水泳は筋トレに含めるべきなのかどうか議論がありそうですが、シェイプアップ、ボディメイク、スタイルアップなど当サイトの目的からして、水泳は目的にかなう運動だと断言できます。もちろん、目的のためにはうまく ... 続きを見る
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