筋トレを行う際、フォームが大切だというのは紛れもない事実です。
姿勢を正しくするのは、フォームの精度、より効果的に運動を行うための基本だということも皆が知っています。
一方、意外と意識されないのが、姿勢そのものがパワーを生み出すという事実です。
このページでは、熟練者御用達のザーチャースクワットで、パワーを出せる姿勢、フォームを身につけるコツを紹介します。
初心者スクワットの陥りやすい罠
筋トレ全体的に言えることですが、スマートな姿勢で軽快にバーベルやダンベルを持ち上げるような動作は、あまり、シェイプアップに効果的な運動にはならないことが多いです。
スマートな姿勢という表現は微妙ですが、例えば、スクワットなら膝を絞って腰を高く維持すれば、軽快に動ける感じがしますが、筋肉への刺激は限定的です。そのため、シェイプアップ効果を狙うために、野性味を出してわざと足を開き腰を落としてお尻をつき出すような姿勢で行います。
デッドリフトも同様で、最も効果的に筋肉に刺激を入れるためには、野性的なゴリラのように身体を動かしてやる必要があります。
ここでは、スクワットを例にとりますが、スマートに楽してバーベルを動かすためには、バーベルを鉛直方向ではなく左右に滑らせれば、エネルギー的には最小で済みます。
バーベルは動くけれども、運動にはなっていないというパターンです。
初心者でスクワットを行う際、ついついやってしまうのが、バーベルを上下に動かす以上に前後(図では左右)にブレさせてしまうという動作です。
上の図のスクワットは、悪いというほど悪くはありませんが、バーが体の前後に大きく動いています。この動きは、仕事量的にはゼロにしかならないので、あまり意味をなさない無駄な動きといえます(一方で精神的な満足感は得られるかもしれません)。
効果的にスクワットの負荷をかけてやるには、バーを上下方向に動かす距離をしっかり稼ぐ方が良いといえます。
力学的には、バーベル(ダンベル)は鉛直方向(床に対して上下方向)に動かした分が身体に不可になる運動であって、水平方向(床の面と同じ高さで動かすバーベル運動)は大したエネルギー消費にはなりません。
しっかりバーベルを上下運動させることが、筋トレとしての意味のあるスクワットをしたということになります。
スクワットがうまくできない人、初心者はバーベルの上下方向の距離を稼ぐ動き方を意識すれば、一気にスクワット効果を体感できます。
ザーチャースクワットでスクワットの姿勢を補正する
ザーチャースクワットは腕でバーベルを挟んで荷重を体幹にかけるため、バーベルの上下方向の動きは嫌でも意識することになります。
自分の身体の無駄な前後の動きがあるのかないのかを効果的に意識できるスクワットです。
そのため、スクワットに必要な上下方向のバーベルの移動距離を体感しやすくなります。
移動距離が稼げていない方は、スクワット運動が不十分だということになります。
ザーチャースクワットをうまく行うコツ
- バーの位置が低いので、ベンチプレスの時とほぼ同じ高さにラックをセットする
- 腕を折り曲げてバーを挟むので、スクワットパッドでクッションをつくる
ザーチャースクワットは、腕にバーベルをひっかけて立ち上がるという動作が主体になります。体幹や臀部などの筋力以前に、バーが腕に食い込む痛みに耐えられなくなり、おのずと使用できる重さの限界が見えるのが普通です。
そのため、重量を扱うときはできる限りパワーラックなど、ラックを利用する方が安心です。
また、スクワットパッドも不要な痛みを和らげるための必需品です。
ただし、重量を扱わなければ、ラックもパッドも必要とも言えず、しっかり姿勢を強化するためのスクワットとして動くことも大ありです。初心者は、安定して動くことができるようになってから、少しずつ重量を上げていく方法が定石です。
ザーチャースクワットでへこたれない体幹を磨く
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ザーチャースクワットのメリット
普通のスクワットと違い、ザーチャースクワットにも独特のメリットがあります。
- とにかく体幹に効くスクワットなので、おなか周りが引き締まる
- フォームそのものは、バーベルの上下運動を意識するだけなので決めやすい
- 姿勢強化のためには、重量はさほど必要ない。バーだけでも足りるかも
スクワットは足腰を鍛える運動と理解される人が多いのですが、実は体幹にもしっかり効く運動であることを忘れてはいけません。
下手な腹筋運動より、ザーチャースクワットをこなした方が強力です。
フォームが決めやすいのも、ザーチャースクワットの特徴です。ただ、腕に挟んだバーが鉛直方向の最短距離で、上下させることができるように姿勢を作ります。しっかりしゃがめない場合など、自分の股関節が固さなど、意識するチャンスでもありますので積極的に試してください。
また、デッドリフトと同日に行っても、翌日以降に腰背部の疲労が重なるリスクを抑えることができるのも、メリットの一つですね。
ザーチャースクワットのデメリット
- ウエイトを腕がもろにかぶるので、痛くなります
- 前傾姿勢は残しにくい
ザーチャースクワットのデメリットの典型例で、ウエイトが腕にまともにかぶるため、普通は腕が痛くなります。
スクワットパッドなどでクッションを作るにしても、限界があるので、必然的に重量を増強することが難しいスクワットです。
重心の位置を低く保てるため、、体幹部の意識は容易ですが、同時にローバースクワット的な効果を期待しようとしても、バーベルを体の前で保持するため、前傾姿勢は維持できないのが普通です。
ただし、重量をかけないのであれば、前傾姿勢をとったとしても腰部への負担は抑えることもできるので、やり方次第とも言えます。基本は、ザーチャースクワットでは前傾姿勢はとらない方が良いと考えておきましょう。
ザーチャースクワットはどう生かす
シェイプアップ目的としては、ザーチャースクワットを優先的に行い、体幹部を強化するのもいい方法ですが、やはり他のスクワットを補うものとして活用するのがおすすめです。
スクワットのフォームのまずさが残っている人は、ザーチャースクワットを組み入れることでその改善が望めます。
たとえば、ハイパースクワットがうまくできない、エアースクワットがうまくできない、うまくしゃがめないなどの「初心者スクワットのあるある」は、ザーチャースクワットを続けることにより矯正できます。また、しゃがみすぎるスクワットもザーチャースクワットでは行いにくいため、地震の適切なしゃがみ位置を見つけるためのスクワットとしても有効です。
扱う重量を増やしにくいスクワットであるため、ウォーミングアップの中に組み込んでしまうのも、良い方法ですね。
体幹の弱さが姿勢に影響しているなら、ザーチャースクワットで強化し、それ以外は他のスクワットも取り入れて、美しいラインをめざしましょう。
- スクワットの姿勢強化にザーチャースクワットは有効
- 体幹部からくるフォームの乱れ防止に、ザーチャースクワットは有効
- 有効にスクワット運動ができているかの確認に、ザーチャースクワットは有効
スクワットのしゃがみの深さについて考える
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