空腹の状態で有酸素運動をしてしまうワナ
お腹いっぱいの状態で有酸素運動をする人はいないと思いますが、空腹の状態で行う人は意外に多いものです。これは、可能な限り控えるべきです。軍隊、自衛隊、サバイバル訓練などで行うのはアリですが、ダイエット、シェイプアップ目的の方が日常的に行うのは逆効果になります。
と信じられているわけですが、間違ってはいませんが、シェイプアップ目的であれば正しい理解でなく、都合よく解釈されています。
有酸素運動で使われる筋肉の大部分のエネルギーは、炭水化物と脂肪に依存しています。空腹状態だと、炭水化物が身体に不足しているので、脂肪の方が燃焼するわけですが、その脂肪はどこの脂肪なのかという点が問題です。お腹や背中の脂肪が燃焼してくれるのではと期待しますが、有酸素運動中に燃やされる脂肪は血液中に溶けている脂肪です。厳密には、筋肉や血液中の脂肪や炭水化物をエネルギーとして消費するわけです。スタイルアップしたい部分の不要な脂肪が血液中に溶け出すには、それなりの時間がかかります。空腹状態だと、脂肪が溶け出す状態にまでたどり着けず、結局筋肉に蓄えられたエネルギーを消費して、筋肉を細くして、身体の水分を蒸発させて終わるだけになります。運動後の体重計の目盛の減り具合をみて、自分を褒めがちですが、減量分の大半は汗で失われた水分です。これは子供の頃の習った理科の質量保存則を思い出しても理解できると思います。空腹で運動した後は脱水状態ですので、高血糖症へのリスクも増加します。
運動開始前60~90分前に、消化のよいもの(低脂肪ヨーグルトや果物、目的に合ったサプリメントなど)を食べておくのがよいわけです。運動開始するころには、胃の中のものは消化されて、何も無い状態で、お腹にはまだ残っているの状態が理想です。そうすると、身体はエネルギーを胃の中のものを消化するために、余分にやりくりしなくて済み、運動のパフォーマンスが上がります。