内臓脂肪とは
内臓脂肪と皮下脂肪のイメージ図は上の通りです。お腹周りの皮下脂肪はつまむことができるので簡単に確認できますが、内臓脂肪は内臓まわりにつくので外からはつまむことができません。
お腹が出っ張っていて、屈伸運動をやろうとするにもお腹のお肉(脂肪)が邪魔をしてしっかり曲げられない。このタイプの方は、いきなり筋トレを始めたとしても、その脂肪が筋トレで必要な動作(股関節伸展など)を妨げがちですので、効果を得るための正しいフォームを保つのが難しくなります。ですから、むやみにダイエットのためと称して筋トレを行うこことは奨励できません。筋トレ運動、ヨガなど、必要な正しい効果を得るためには、目的に合ったフォームの習得が欠かせないからです。フォームを無視して筋トレに励むと、特に年齢的に青年層から離れれば離れるほど無理はできず、事故や故障の可能性が高めてしまいます。
内臓脂肪とメタボリックの目安
体組成測定器あるいは医療器具でレベル10を超えたら、メタボリックだと判断してください。
内臓脂肪は医療器具では㎠(腹部の内臓脂肪断面積)で計測するのが普通ですが、各社のデータに基づいてレベル化表示するものが増えてきています。各社のデータという部分で機器間の差を吸収しているわけですが、自身の肉体改造の参考にするだけなら、内臓脂肪10㎠でレベル1、内臓脂肪100㎠ならレベル10という点は同じですので、レベル10以上か以下かを確認するとよいでしょう。
判定 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
低い | 5.0%~9.9% | 5.0%~19.9% |
標準 | 10.0%~19.9% | 20.0%~29.9% |
やや高い | 20.0%~24.9% | 30.0%~34.9% |
高い | 25.0%~ | 35.0%~ |
出典 OMRON HEALTHCARE www.healthcare.omron.co.jp
内臓脂肪が多いとどうなるのか
内臓脂肪が多ければ、お腹がぽっこりのリンゴ型肥満になるということはすでに述べました。実は外見面以上に怖いのが、血中脂質を高くしてしまい、動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞の誘発リスクを高めてしまう点です。高血圧、高血糖、脂質異常症などの動脈硬化を進めるリスクがある状態で、寝ている最中に呼吸が止まるという、睡眠時無呼吸症候群にでもなると、血中酸素飽和度が下がりカテコールアミン(ホルモン)の作用で血管収縮し血圧上昇(本来は睡眠中は血圧は下がるはず)、心臓病や脳卒中になりかねない動脈硬化が進行し、下手をしたら死に
至りかねない潜在的リスクを抱えることになります。
体型が変われば、結果的に内臓脂肪もコントロールできたということになるので、シェイプアップ、筋トレを地道に行っている方は、このリスクに自然と対処することができるようになります。
内臓脂肪の特徴は?
内臓脂肪というのは、(特に男性は)皮下脂肪と比べて身体につきやすいものです。つまむことができる皮下脂肪と比べて、この内臓脂肪はつまむことができる場所ではなく、主に血管まわりにつきます。簡略化してお話しますが、身体を動かしてカロリーを消費するようにしてやると、脂肪のまわりの血管に乗っかって流れて無くなってくれます(皮下脂肪はそうはいきません)。つまり、ちょっと運動をするなどしてやれば減るのも早いわけです。個人差もありますが、数キロ減量してもあまり減ってくれない皮下脂肪に比べて、内臓脂肪はすぐに半減してくれます。
内臓脂肪の原因は?
ダイエットの視点から、簡略化して述べてしまえば、内臓脂肪の正体は、摂取したエネルギーが消費されずに体内で余ったものです。そのエネルギーは通常、食料として摂取しますので、さらに簡略化すると「食べたものから得たエネルギーを体内で使い切れていない」状態が内臓脂肪を蓄えてしまうメカニズムです。それが、「過食」と「運動不足」が原因とよくいわれる理由です。
つまり、内臓脂肪を落とすためには「自分が使い切れるエネルギー分の食事をする」、「余ったエネルギーは使い切っきって残さない」ことが不可欠です。裏返せば、使い切れない余分なエネルギーは摂取しないことが重要で、ため込まないような生活を送る必要が出てきます。
運動としては筋トレでもよいのですが、内臓脂肪がつきすぎている身体での筋トレは、効果的ではありません。筋トレではなくて、有酸素運動を取り入れるべきです。
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